2007年11月24日

「空の向こうに風は吹くのじゃ」60

前回を読む

第2章  「ペッパー」

第26話 「ミサンガ」

この事は1994年1月の話で
今は2007年の11月だ。

「ザクッ」と数えても今から14年も前の話になる。

NZから帰国した当時 僕の左足には
オレンジ色のミサンガが結ばれていた。

帰国してから数年後 どのタイミングで いつ頃かは忘れたが
なにかの切っ掛けに「ブチッ」という音もせず
オレンジ色の「それ」は 切れてしまった。

なにか「願い事」が叶ったかどうか?
というより「願い事」をしたかどうかもよく分からない。

なにもかもよく分からないが ひとつ明確に分かる事がある
それは「切れたミサンガ」は今 手元にないこと。

帰国してから5回ほど引っ越しをした。
職もいくつか変わった。 色々と環境が変わった。
そんな雑踏の中で「多分」当時は保管したかもしれない「それ」は
僕のかすかな記憶に多少オレンジ色がぼやけて見える程度しか今はない。


いうまでもなく このオレンジのミサンガは
ペッパーと一緒に買ったものだ。
僕が彼女に「紫色のミサンガ」をプレゼントしたお礼に
彼女から買ってもらった。
「いや まてよ これも僕が自分で買ったんだっけ?」
まあ どちらにせよ 同じ「でみせ」で買った事は間違いない。

この日は寝坊したペッパーとフェリーが発つ時刻まで
多少時間があるので ウェリントンの町を2人で探索した

コンクリートとアスファルトが交差する細い路地を
ペッパーはガイド本片手に道行く人に聞きながら
比較的すんなりと特に迷いもせず目的のショッピングを楽しんだ。
僕は極度の方向音痴なのでこの様に見知らぬ町を誘導してもらうと
とても助かる

以前 僕の父親ほどの歳で大手ゼネコン屋のお偉いさんと
ニューヨークの街を探索した事があるが
その人は、なにか大きなビルをランドマークとしてそこから東西南北を確認し
自分の位置を的確に把握するという神業的な特技を持っていた
「なるほどですね〜」と感心したが
これもひとつの才能だなと理解した。

デートらしいデートは多分この時だけだろう
別れが迫ると 密度も濃くなる。

実は今 日記を清書しながら
ふと
「あの ミサンガ捨てなきゃ良かったー」とすごく後悔している
日記に挟むかなにかするべきだった・・・

しかし まあ ほぼ有り得ない話であるが 
もし ペッパーがあの紫のミサンガを今も持っていたら
なんだか本の栞としてとか・・
もしそうだとしたら
それはとても すごい事だ

ほんの数%しか ミクロ単位の可能性しか

でも 今 そんな事を初めて思ったけれど
それが 絶対にないとは限らない。

だって僕の手元には
雑踏を奇跡的にくぐり抜けた日記帳があるわけだし
その日記帳の最後のページには
ペッパーの直筆で
「pippa owen」とサインが残されてあるわけだし


続く・・・





 


























posted by たろー at 18:50| 福岡 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | NZ日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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